2014年3月7日金曜日

日本映画「小さいおうち」













名古屋シネマテーブル(映画を見て、語る会♪)
http://www.cinematable.net/




の課題映画だったので、前情報何もなく見てきました☆






ネタバレ注意。


映画を見ると
おのずと、自分の精神分析&状態分析
今いるレベルの、段階確認

・・・になっています。私の場合。



小説でも、その登場人物やストーリーの、
恋愛関係についての各人の、言及や感想を
語り合うと、
そのまま、その人の経験値を反映している・・・

と気づいた時の、恐ろしさと言ったら。


いやあ~そんなもの
ボロボロとみんな、よく表に無防備に出せるなあ。


なーんて昔、驚愕したっけ。






で。





青木華ちゃん、

蒼井優ちゃんの次世代女優さんですね♡

演技が、うまい!!!




松たか子が、憧れの完璧美人奥様の役を演じていたので、

彼女が女中だったから、

一歩引いた立ち位置でしたが。


生で、実際に会ったらものすごい色気があるだろうなーと。

調べたら、彼女は野田秀樹さんの、舞台のオーディションで選ばれて、

デビューしてるんですね。

うーむ、さすが。




家の中の女中さんが、

感情を押し殺して、押し殺して・・・

最晩年に、その感情を吐露するが、

もうすでに遅いのだ


というストーリー、

カズオイシグロの原作映画

「日の名残り」を思い出しました。





この映画で、

古いお屋敷にて仕える執事(アンソニー・ホプキンズ)が

恋心をずっと押し殺して押し殺して、

そして、最後には、好きな女性が別の人と結婚してしまう

それを告げられた時の、驚愕の表情・・


この映画を、大学1年生の英語の授業で

初めて見たとき(19歳やったけれど)

号泣しました。

いや~他の友達には恥ずかしくて、

声も出さずに泣いてたけれどね・・・


話戻して。



そして、


黒木華の手の演技がすばらしい!



両手の指を組み合わせたり、

くねくねするだけで、人って

かなり表情を出せるものなのですが・・・

(私も一対一で、誰かと話しているとき、

表情を付けたいときは、

かなり両手に語ってもらいます。)



彼女が映画の画面いっぱい、

上半身(胸元から上のショット)が映るとき、

はじめてお家に奉公する時の緊張感が、

両手を合わせたり、

胸元の割ぽう着がV字型になってるところを、

ひっぱったり、

もじもじしてて。

それが、全然くどくなーい。



松たか子の衣装、着物はめちゃくちゃにオシャレでしたね。
現代的。彼女が着ている着物、ほとんど全部、私も着たくなりました。
髪の毛も、ゆるゆるカーブヘア。
エンドロール見てたら、松たか子のみに、ヘアメイクさんがついてました。
そうだよね~っと納得。


家の中のシーンは、小津映画の影響かなー?

ってところがあちこち。
玄関でのシーン、

玄関に入ってから、観客が登場人物全員を
背後からみる視点になるシーンが多かったですね。

ついつい、私は映画ファッションチェックしてしまうのですが、

松たか子の不倫相手役・吉岡秀隆がかけていた丸メガネ似合ってました~
丸めがね、かけたくなりましたもん。

映画を語る会では、
吉岡秀隆が、なんで松たか子の演じる、重役奥様役の不倫相手なんだ!

年をとりすぎてる、
顔立ちが・・・
吉岡秀隆は、どんな映画に出ても、吉岡秀隆だ。

などなど。

やり玉に上がっていたのだけれど・・・・(笑)



いやー
正直、全然
違和感を感じなかった。私は。



なぜだ?

と内省してみた。





①もともと、作品を見る時は、私は、
批判的になるより全面受け入れることを
無意識にやってきている。


なんとなく、作り手の思いを汲んじゃうんですよね~私。

まあ、厳しいジャッジを求められる時はダメだろうけれど
まあ、そんなことは無いので、私の立場で。

一観客で気楽に、
お金払って、時間も費やしてるのだから
それに没頭しちゃった方が楽しい時間になるのでは、
という思いもある。


そして、他人の恋愛事情見ても、

「なぜ、あの人とあの人がつきあう!?」と
思うし、

なぜか恋愛相談多くされる私でさえ、

当人同士でしか分からないことのほうが
山のようにある。と痛感している。
男女の仲は全然、わからにゃいな。

と思ってるからかも。


なので、映画の中で、

彼は、彼女にとっては
救世主的な存在だったのでは?





②とりあえず、どんな男でも縁があったら
ちょっとは、受け入れてみれば?

というスタンスだから。私が。


そして、
おそらく、松たか子演じる彼女は
相当ダメンズ好きなんじゃないかなあ・・・という予想。

あの時代で、あんなにおっとりした育てられ方してたら
世間と相当ズレてるだろうし。

あと、吉岡秀隆が、美大生ということで、
ダンナや周囲の男性とは違う価値観
(右脳で生きている、物質至上主義じゃない)
というところで
惹かれたんじゃないかねー・・・とも、ね。



あと、吉岡秀隆演じる、板倉正治さん、
後年画家、イラストレーターになって
活躍したということだから、

松たか子演じる時子奥様とは、
美人と、
人としてのエネルギー値が

才能とで、

+-相殺されてて続いたんじゃないかなあ。



・・・時子奥様と
板倉ショージ君の不倫の恋について
延々援護してしまった・・・


あんまり、個人的に
山田洋次監督個人の精神分析やら
状況に持っていくのも好きでもないです。

なんだか、作品って
そんな個人的なカタルシスを求めて
作ってるのでもないだろうし。



なんというか、
松たか子と、黒木華さん以外は
まあ舞台背景ぐらいの感じに
留めた映画なのかもしれません。




にしても。



押し付けがましくない戦争映画、でしょうか。

静かな哀しみ、反骨精神、

現在の3.11や原発事故後の日本だからこそ。


こうやって、女性目線で戦時中のことを
語られると
ああ、今の日本と状況が似ている、と感じました。

今だって、楽しいことはたくさんある。

こんな世の中と言うけれど、
選んで、自分から手を伸ばしていけば
多くのキラキラとしたものが手に入る。


私もできるだけ
そこに照準を合わせている。
まずは、自分自身の心身魂が
しっかりと、きっちりと生きていることが
周囲に影響を与えていくから。



だけれど、
今だって、放射線は漏れていて、

日本全体なんだかキナくさい。

どんどん、仕事の現場でも
小さなチェックに命をかけるような
ことばかり増えてて、
どんどん
欲望が、去勢されてる気がする。





「生きにくい世の中になったもんだよ」

と、映画中で、作家の先生が
女中タキにぼやく。

不倫の恋をしていると、
不敬罪、姦通罪でしょっぴかれる恐れがあるからだ。


3.11後に、

飲み会や、楽しいことをやろうとすると「自粛ムード」が
ただよったのを思い出した。

何か、楽しそうだったり
幸せそうだったりすると
そこに、イチャモンをつける。

「今はそんなことやってる時じゃないんだよ!」

と。


私自身も、仕事で忙しいときにハッと気づいた。


「耐えがたきを耐え、忍びがたきを忍び

そして、忍耐と我慢して努力することが、最も美しい。

そして人生とはそんなもんだ」

・・・と、無意識のうちに思い込んでいることを。


私の奥底にあるのは

まるで戦時中の価値観だ。


楽しいことはやっちゃいけない。なんて。

自分がワクワクすることを選ぶのに

罪悪感があったのね。

こりゃ、息苦しくなるはずだ、と

1人合点が言った。




冷静に考えてみれば
そんなことはない。

何かしたいことは、
今すぐに始めてみればいいのだ。

ちょこっとしたことから。



きっと、今後の日本は

ますます、そういうことが難しくなる側面もあるのだろう。

「世間」という空気の圧力に押されて。

4月からは増税で、

ますます「貯金」「節約」という

日本人が好きな言葉が飛ぶのが目に見える。

どんどん真綿で首を絞められるように

私は苦しい、と感じることも多い。



でも、その一方で、

そういう息苦しさを、打破したり

突き抜けたりする

存在なり光がまた、たくさん産まれるのだろう。

お金や、パワーの面から見たら

それは微々たる小さな力なのかもしれない。

私が好きな、本や、映画や、芸術は

直接的な行使はできない。

でも、それらしか、照らせない光と闇がある。




そういう存在に、

私もなっていこう。
















・・・長い感想だねえ。(笑)








0 件のコメント:

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。